この星に生まれた、何よりも誰よりも。


 なんだか、声がする。

 まだ眠いよ......。



「......てっ。おー、きー、てえー」



 でもまだ眠いから............、少しだけ......。

 あとちょっと......。



「起きてっ。HR......まっ......うよっ............」



 んー、でもあと少しだけ......。



「あとちょっと............」

「まあ、眠いのはわかるけど......でもだめっ。起きて!」



 うとうとしながらそう言うと、また声がした。

 ムムムう............っ。

 でも眠いものは眠いってえ............。



「こら、起きてっ! 氷雨先生が怒るよ......!」



 ......えっ。

 氷雨が怒る......?

 氷雨が本気で起こったら............。

 私の中に、氷雨が本気で起こるところが流され始めた。

 
『おらああああ!!!!! 話聞けやああ‼ ぶん殴んぞ⁉ 覚悟あってやったんだよなあ? あ? なんか文句あっか‼』


 ............ひっ。

 背筋が凍る。


『おら、誰からだ? おい! 早く表に出ろおおおお!!!!!』


 ヤバいヤバいヤバい‼

 教室が、戦場になる............!!!!!

 意識が一気に覚醒し、すごい勢いで飛び起きる。

 だ、ダメダメダメダメダメ――っ‼

 それだけは避けないと.............‼

 いざとなったらみんなを逃がしてーー。



「............ご、ごめん。そんなに怖かった?」



 そう聞いてくる、ふんわりと毛先にウェーブがかかった、とてもかわいらしい少女。

 暗めのアッシュブラウンの柔らかそうな髪の毛。

 きれいな髪の毛は、肩より少し下ぐらいの長さ。