この星に生まれた、何よりも誰よりも。


 やっと止まった吐き気と咳。

 気持ち悪さを飲み込み、ベッドから降りた。

 ............お風呂、入ってこよ。

 私はのろのろと体を動かした。

 そのままお風呂に入り、上がって制服に着替える。

 朝ごはんは、今日はいいかな。

 ごめんね、朝ごはんの大切さは知ってるよ、小5の時にやったもん。

 でも、今日はいらない。

 食欲が少しもわいてこなかった。

 時計を見ると、朝の6時半。

 ちょっと早めだけど、まあいっか。

 学校に行っちゃおう。

 早く外の空気が吸いたかった。

 家を出て、鍵穴にカギを差し込む。

 ガチャリ。

 鍵が無事にかかった音を聞き届けて、エレベーターを使って1階へと降りる。

 早い時間帯だから、人が一人も乗っていなかった。

 ガラス張りの玄関のドアを通り過ぎ、段数の少ない階段を一瞬で降りる。

 

「............っ、はー......」



 すう、と空気を吸う。

 そしてはぁ~と吐き出した。

 ............うん。大丈夫。

 .......私は、大丈夫だ。平気だよ。

 人気のない通学路。

 昨日ここを通ったときは、人がたくさんいたから......この時間が早すぎるんだと思う。

 人気はないけれど、店の中からうっすらと物音がした。

 開店の時刻が速い店はそろそろ店を開けるんだろう。 

 今度、お店にも行ってみよう。

 いいお店があるかもしれない。

 そしたら、何かお買い物したいなあ......なんて。

 相変わらず豪華な校門を通り、大きい学校へと入る。

 【1-A】と書かれたプレートが釣り下がっているところにつき、扉を開けて教室へ入った。



「......」



 私の、席は......。

 昨日と同じ位置。

 席の位置を確かめていると、

――ガタッ。