「そーれでっ?」

「おしまいだ、ばか!」

「えええええっ⁉」



 時雨と氷雨とたわいもない話をしながら下校する。

 下校っていうか、夜帰り?

 この時間、もう誰も学生はかえってない気がする。

 あ、いや、いるか。

 ..................私が。

 そうしてると、いつの間にか、○○地区と□□地区のはざま。

 あのマンションまで来ていた。

 私が住んでる、マンション。



「わあーっ」

「こらまた、スゲーわ......」



 氷雨と時雨が驚きか、あきれかのため息を漏らす。

 1階には、部屋が三つ。
 
 一つの部屋、一人が住んでいるスペース?っていうのかな。

 それが結構広くて......。

 

「あ、時雨氷雨椅子の件、ありがとう。よろしくねー」



 椅子のことを思い出して、お礼を言う。

 2もなく、すぐうなずいてくれたからな..................。

 椅子なんて、生徒のお願いでパパっと用意していいものではないと思う。

 だけど、用意してくれた......。

 そのことがとてもうれしかった。



「ヘーキヘーキ」

「だいじょーぶっ」



 ふふっ。

 当たり前のようにそう言ってくれる氷雨と時雨に笑顔をむける。



「ありがとーっ。じゃ、おやすみっ。また明日ね!」



 「おお、また明日な!」と返してくれた氷雨と時雨と別れて、マンションの中へ入る。

 えーと、308室、308室......っと。

 あった!

 308室を見つけて、部屋に入る。

 部屋に入った私は、そのまま風呂に直行し、その後ベッドに飛び込んだ。

 宿題は、残ってた時にもう終わらせてるから、このまま寝られる。

 布団の中に入り、ベッドわきの電気を消そうと手を伸ばす。

 

「............あ」