「ごめんね、ちょっと一緒に帰ろうと思って......。一緒の学校だからさ、ちょっと浮かれてた。ほんっとごめんなさい......」



 申し訳なさそうにそう言ってくる氷空。

 暗い空気をなくすように明るい声を上げた氷雨。



「ってか、家どこよ。一緒に帰んぞ!」



 家か。そういえば、まだ知らなかったな。

 氷空は、聞いてきた氷雨に嬉しそうに答えた。



「マンション! ○○地区と、□□地区の境目にあるとこ!」

「んじゃ、いっくぞ!」



 氷雨がそう言い、家へと出発する。

 さっきは眠くて眠くて寝そうだったけど、今日はもう目がさえて眠れる気がしない。

 ............寝れなくて、夜更かしになりそうだ。

 ......でも、まあ...。

 たまにはいいか、と一人考えをまとめる。



「おい、時雨―‼」

「時雨、一緒に帰ろっ!」