あまりにやさしすぎる。



「......泣いてるのか?」

「違うよっ......」



 ちがうよ。

 泣いてなんかない。

 そんなことあるわけないよ。



「そうか」

「......ぁ、っう......」



 優しすぎて、そのぬくもりが温かすぎて、涙がこぼれてしまいそうになる。

 違うよ。泣いてなんかいない。

 ほら、これはきっと雨だよ。

 私、泣いてないよ。

 頭をやさしくなでられて、私はもう耐えられなくなってしまう。

 不幸になったことなんて、一度もないって。

 そんなこと、思ったこともないって。

 静かに静かに、雨が降る。

 雨のにおいと、夜のにおいと。

 そんな香りがする。

 

「もう一つ、いいっ......?」

「ん、何個でも」


「星が、私を守ってくれる理由っ、聞かせて、欲しっ......」

「何度でも」



 星がほほ笑んだ。

 私も、唇の端を持ち上げて、笑う。

 

「———この星に生まれた、誰よりも、何よりも......愛してる」