【side星】



 口の中で、言葉をつぶやく。

 ———忘れないでいろよ。
    一人ではないってことを。


       ◆
 

(ひかり)いぃー!」

「うっさいぞ」

「そうだ、近所迷惑だ」

「でもここ学校だしさー!」

「........................バカじゃん」

琉宇(るう)? なんか言った? 言ったよね?」

「さあ............空耳でしょ」

「うるさいぞ、お前ら」

「うるさくないしぃっ!」



 声をかけてきたと思ったら、わいわいギャーギャーと周りを巻き込み騒いでいる来夢(らいむ)

 琉宇が小さな声でぼそっと来夢を馬鹿にし、時円(じん)が正論を飛ばす。

 ............なんなんだ、こいつらは。

 

「星⁉ そんな顔してみるなよ―――!」

「......見てないが?」

「気づいてないだけでしょー!」

「......」


「群星のみなさぁ―――んっ! 今日も行くんですかー!」

「あいつら、うるさいな」

「同意」

「そう思う」

「そう思うわ、あれは」

「ついてく感じになるけど、ごめんなさぁーいっ!」



 煌舞のやつらがワイワイと騒ぎながら声をかけてきた。

 なんなんだ、こいつらは。

 俺の周りに、意味もなく騒ぐやつ多くないか?

 はあ、と息をついて歩きだした。

 「おーい、おいていくなよ―――!」と、またまた騒がしい声がする。

 俺はその声を無視して、歩き続けた。

 あの戦いから約三週間がたった。

 つまり、俺の入院時期が終わり、学校に行くことになった。

 だが、氷空(そら)のことが心配で心配で何も考えられない。

 逆にこのまま学校行けってほうがおかしくないか?

 病院の中へ入り、病室へと向かう。

 ——ガラガラ......。