この星に生まれた、何よりも誰よりも。

 ふう、とかすかに息が漏れた。

 お兄ちゃんは、私のほうに近づいてくる。

 そりゃそうだろうなあ。
 
 あんなこと言われたら、怒るよね。

 でも、それで目はそらせないから。

 静かに、お兄ちゃんの目を見つめる。

 お兄ちゃんは私の数歩先で、手を伸ばせば届く位置で、足を止めた。

 

「———氷空(そら)は、やっぱそういうと思ってた」



 きらり、空色の瞳の中に、私が映って。

 
 ひさしぶり。

 
 その一言を聞いた瞬間に、ぐっと何かがこみ上げてきて。

 

「............当たり前でしょ?」



 そう、腕を組んで、少し偉そうにして、笑って見せた。

 一面空の色が広がる中、私はそこに座り込んだ。

 

「うっ......わぁー......」



 座り込んで、大きな息をつく。

 お兄ちゃんも座り込んで、カラカラと笑った。

 あの時みたいに、無邪気に。

 その顔が何だか懐かしくて。

 それだけで、うれしくなって。



「......へへ」

「......ははっ」




 二人一緒にふきだして、笑いだした。

 何が面白いのかわからないけど、なんだか笑っていた。



「急に笑い出すなよ......」

「だってぇ......」

「つられるじゃんか......」

「え、あれはつられてなかったよね?」

「なんで変なとこ敏感で鋭いわけ、氷空って」

「変なとこって言っちゃダメえ―!」



 そして、雑談。

 そうして過ごしていると、ゆっくりと暗くなっていく。

 きれいな群青に染まる空。

 黒色とか、真っ暗なわけじゃなくて、淡い感じっていうか。

 淡くて、水で溶かしたみたいに優しく色づいていく空。

 それを見て、(ひかり)の瞳を思い出した。

 ......星、大丈夫かな。

 展望台から落ちたんだよね?

 一応、守れたら、助けられたら、と思って飛び出してったけど、何かけがとかしていないかな?

 うーん。どうなんだろう。

 心配だな......。

 っていうか、ここはどこなんだっけ。

 居心地がよくて忘れてた。