と、氷雨のはねた声が聞こえてきた。

 そっちに視線をやるまでもなく、ふわぁとあくびをする。

 ......マジでねみい............。

 眠くて、思わずまぶたを下す。

 寝はしないから、少しだけ......。

 そう思って、少し休憩をする。

 そのまま、再び氷雨へ声をかける。



「帰んぞー。もうガチのマジでねみいから......」

「ちょ、まてって。今............」



 焦ったように何か言っている氷雨を遮る。



「もー...眠いから、はよ準備して......」

「だから、違っ......」

「くだくだ......言ってねえで、はよ帰ろうぜ......」

「し、しぐ......」

「ほらぁ......、ここで寝ちまいそうだから......」



 うとうとしかけながらそう言う俺にイラついたのか、それとも遮る俺にイラついたのか......ついに氷雨は大きい声を出した。



「おら! 話聞けええ‼」

「そーは言っても......」



 ここで寝たら困るから、早く帰りたいのに............。



「......っ、ご...」



 ......ん? 今、氷雨じゃない高めの鈴が鳴るような声が............した気が..................。

 眠くて眠くて、頭が働かない。