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『それでいいの?』


どこかで聞いたことがある声だった。

それでいいかって? 

 誰かをかばったら、自分が苦しむことになるかもしれないけど、それでもいいの?

うん、もちろんだよ。

だってそうでしょう?


「だって、私たちはまだ終わらないんだから」


これは、私たちの———私だけの、物語なのだから。

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 何からともなく聞かれた問いに、返した言葉に。

 少しだけ———少しだけ、満足しながら。

 私は微笑んで。

 地面が近づいてくる。

 そのまま、下に落ちて。
 
 ぽたり、ぽたり、と涙をこぼしているかのように雨が降る。

 体が、叩きつけられる。

 少し、体が浮き上がって、もう一度地面にたたきつけられた。