消えてしまっても、私は願う。
             お願いします、お願いします、お願いします。
            彼を、助けてください。
 
          『心空、気をつけろよ?』

          そう言った時の、不器用な優しさも。

         『神楽、じゃなくて、(ひかり)だから。......——心空』

         そう名前を呼びあった時の、無邪気な笑顔も。

        『............家で見ろ』
       
        そう言った時の、照れた顔も。

       『また、一緒に帰ろうな』
  
       元気づけてくれた時の、優しい笑顔も。

      『俺が一番、心空のこと知っていたいから』

      少しだけ、甘くなるところも。

     『————氷空っ! 氷空、しっかり! 
      俺はまだ、お前に言わないといけないこと何も言えてねぇんだよ......!』

     必死で、狼狽してた時のあせってた言葉も。

    『誰にも気づかれてなかったのに』

    口元に手を当てて、微妙に目をそらしちゃうかわいいとこも。

   『......大丈夫だ』
  
   安心させてくれた、あの言葉とぬくもりも。

  『こっちのほうが、寝やすいだろ』

  私のことを考えてくれた行動と言葉も。

 『好きだからだよ......この(ほし)に生まれた、何よりもだれよりも』

 走り出した時の、かばってくれたとこも、強いとこも。

『......全力で、行けばいいんだ。
 後先とか考えずに、全部全部を、相手にぶつけて来いよ。
 氷空は、一人じゃない』

力強さを教えてくれた、あの言葉だって。


 ぜんぶぜんぶ、好きです。

 好きなんです。

 星の言葉に、行動に、私はたくさん助けられて、救われて。

 だから、今度は————

 私が、星を助けてあげたいんだ。