この星に生まれた、何よりも誰よりも。

 んぐっ......。

 そう言われてしまったらもう何も言えず、おとなしくしていた。

 足にも同じことがされようとしていたところを、あせって声をかける。



「その、本当に、私でもやれるよ......?」

「......」



 そういうと、星は私を見つめた。

 ドキッ、と心臓が高鳴る。

 夜空のように美しい、群青色の瞳。

 その瞳が、空の瞬きにきらめいて、私を見つめる。

 どくんっ。

 また、鼓動が高鳴った。

 何話していいかわかんないのに、すごく居心地がいい。

 私、今、すっごくドキドキしてる。

 ......「好き」って、なんでこんなに言いづらいんだろう。

 たったの二文字が、口に出せない。

 どうしたら、このまっすぐな気持ちは届くのかな。

 

「......もう、」



 かすかな、聞き逃してしまいそうなほど小さな声が聞こえて、顔を上げる。

 きらりと、星の瞳の中に、空の星が映ってきらめいた。

 

「............もう、無理すんなよ。痛々しくて、見てらんねえよ」

「え......?」

「......今度からは、俺に守らせて」

「......っ」



 そう言った星の瞳がまっすぐに、私を見てて。

 心臓が跳ねる。

 星の瞳の中にどうしようもないほどのやさしさがあって。

 星が、ふっと優しく私を見つめて、微笑んだ。

 勘違いしそうになってしまう。

 星のほほえみをじかに見て、かーっと顔が熱くなった。

 なんなんだろう、これ。

 恋って病気みたいだね。

 好きになればなるほど、相手に溺れていく。相手のことしか見えなくなる。

 ちょっとした動作にドキドキして。笑顔を向けられるたびに、うれしくなって。

 キミのことがもっともっと知りたくなって。そうしていたら、キミも、私と同じように思っていてほしくなって。

 あわよくば、
 キミの世界の中に、私がいればいいのに。
 キミの思い出の中に、私がいればいいのに。
 キミの大切な人になれたらいいのに。
 キミの大切な人の中に、私がいたらいいのに。
 キミの世界に、私がいればいいのに。

 恋って、なんだか病気みたい。

 キミを見つけるだけで、こんなにも心は踊って、うれしくなって。

 やっぱり、キミの瞳の中に、少しでも私が映っていてほしいって思わせられる。