それぞれ毒を浴びせて、浴びせて、そして......
「意味わかってんのにハッキリ言ったほうがいいとか頭いかれてるんじゃないのかな?」
完敗した。
どうしよう、何も言えなくなってしまった......。
返されてきたのは毒が混じった明らかな正論。
私は言葉に詰まって、おろおろしながらあたりを見回した。
さっきの、のどが張り付いて、カラカラになって、もう何も出てこないっていう感じじゃなくて。
なんて言えばいいのかな、っていう感じ。
こういうときって何を言えばよかったんだっけ......?
考えれば考えるほどわからなくなってきて、私は腹いせに《リーパァー》をきっ!と見つめた
「とにかく、戻らないよ!」
「......ふ~ん? そっかあ」
声を張り上げると、帰ってきたのはそんな声。
いやいや、「そっかあ」なんて、怖すぎるでしょうよ......!
「もどってきてくんないなら......」
「......!」
「いくよ?」
その言葉と同時にとんだ銃弾。
私は気配を察して、横にとんだ。
銃弾が、さっきまでいたところを通り過ぎていく。
「な......!」
「こんくらい普通だろ?」
そう言い、マスケット銃を構えた《リーパァー》。
普通......って、確かにそうかもしれなかったけど......あの時はそうだったけど、今は違うのに......!
私は唇をかむ。
油断してた......!
《リーパァー》って、こういうやつだった。
みんなに当たらないようにしなきゃ......!
じらすように発射される銃弾を見切ってステップでかわしながら、私は皆の位置を確かめた。
うん......みんなは大丈夫そうだ。
でも、星は......ちょっとヤバいかもしれない......。
心配そうにしていたのが分かったのか、星は私を見た。
「こんくらいじゃへこたれねーよ。そこまでヤワじゃない」
「......っ......確かにそうかもね」
私は星の返事に安心して、視線をマスケット銃へと戻す。

