好きです。

 好きだよ。

 ......星が、好き。

 そういいたいけれど、

 そう、君に伝えたいけれど、

 君が好き。

 だから、そう伝える前に。

 君にそういう前に。


 音が戻ってきた。

 すぐそこに、誰かの気配がする。

 ガチャっと、ドアノブに手をかけた音がする。

 ここに、来ようとしている、誰かの音がする。

 

「オイ、出て来いやアぁ!!」



 だから、君に届ける前に。

 この戦いを、終わらせないと。

 動き始めてしまった、壊れた闇の時計の時の刻みを、戻さないと。

 だから、私はまだ、君に好きだとは言えない。

 

「......行ってくるね?」

「......大丈夫.....俺も、氷空が行くならどこにでもいっしょに行くから」


 
 私はその言葉を聞いて、星から離れた。

 星のぬくもりがゆっくりと、風に飛ばされて消えていく。

 開け離れた扉から、あいつらが入ってくる。

 君はいつも、私を救ってくれる。

 君はいつも、私に光をくれる。

 流れても、迷っても、立ち止まっても、振り返ってしまっても。

 苦しくなっても、逃げられなくなっても、泣きたくなっても、悲しくなっても、つらくなっても。

 君がくれた一つきりの光は、永遠に消えない。

 光を灯す。

 真っ暗で、暗闇で、たとえ明けることない、光のない夜の中にいたとしても。

 ———光を、灯す。