「ちょっ......ねぇ、どこいくの......っ」



 息も絶え絶えに、私たちは弾丸をよけながら走る。

 そう聞くも、星は答えてはくれなかった。

 私はその質問のくぁりに、ずうっと前から気になっていたことを口にする。

 しようとしたけど、のどがひりついて、言葉が出てこない。

 なんで......。

 こんなに、君は......



「......最後に一つだけいい?」

「......?」

「......なんで? どうして、私を助けてくれるの......?」



 たくさんの弾丸が降る。

 私たちを傷つけるかもしれないそれを、星は私をかばいながらよける。

 ......ずぅっと不思議だった。

 なんで、みんなは笑いかけてくれるのか。

 なんで、みんなが私を探してくれたのか。

 なんで、私のことを知った後でも、一緒にいてくれて。

 一緒にここにいてくれて、戦ってくれて。

 こうして、彼が私を助けてくれることが、ずっとずっと......不思議だった。

 私は......情けなくて。弱虫で。

 いつだって......ほかの人に、救われてばっかりで......私は、誰かを助けられないような......誰かに、何もあげられない、ダメな人間なのに。

 なんで、こう助けてくれるの?

 ねぇ......どうして......

 彼は私を振り返ってみて、ふっと笑った。

 あっ......。

 星の肩と足首から、血が出ていた。

 なんで、本当に......

 私を守ってくれるんだろう。

 星は、私の手首をつかむ腕に力を込めた。

 一層、力強くつかまれたのがわかる。



「仲間......だから」

「......っ」



 星がそう言って、私は目をかすかに開いた。

 ......仲間?

 そんなの......初めて、言われたかもしれない。

 少し感動していると、星が小さな声で言った。



「まぁ......それは、第二の理由だけどな」