この星に生まれた、何よりも誰よりも。

 ほとんど悲鳴のように、そう叫ぶ。

 そして、驚いて目を見開いた彼の間合いに、強く踏み込む。

 負けない。

 負けたくない。

 終われないから。

 まだ、このままじゃ。

 みんなに、笑いかけられないから——。

 たとえ、誰かが私を嫌って。

 私のことが嫌いって、泣き叫んで。

 でも、それでも、きらきらと輝くような美しい世界が、そこにはあるんだよ。

 

「大好きだった......! 生きていて、笑っててほしかった......っ!」



 生きててほしかったのに。
 
 笑っててほしかったのに。

 なんで、私は3人を守れなかったの?

 なんで、目の前で見ていることしかできなかったの?

 なんで動けなかったの?

 それは、みんなが大好きだったからだ。

 私は、そう胸の中でつぶやく。

 その瞬間、隙ができてしまう。

 命取りになるのに、

 そう、苦しいくらいの頭で考える。

 ぐん、っと風を切り裂く音が聞こえて。

 力を乗せた、悲しいくらい無感情なこぶしが、目の前に迫ってきていて。

 思わず、目をつむった——



「きたねぇ手で、こいつに近づくな‼」



 そんな、星の声が聞こえて。

 ゆっくりと目を開けると、目の前には星がいて。



「星......っ!」

「......ッ! おまえェ......っ」



 なんで、来てくれたの......⁉

 

「クソッ......!」



 《リーパァー》がそう言うと、誰かがフッと、地面に降り立つ。

 真紅の、まるで血のような髪色。

 血液の垂れた形が描かれている漆黒のシルクハット。

 同じ模様が描かれている漆黒の長いマント。

 軍服を着て、マントとシルクハットを身に着けた少女が、そこにいた。

 私が、まだ《ナイトメア》だった時、仲が良かった殺し屋の女の子。



「《死術者(マジシャン)》......っ⁉」

「ひっさしぶり~! これから、一緒にやろっか!」



 Ladies and gentlemen(レディース アンド ジェントルメン)、と彼女はささやいて、地面に片膝をつく。

 《リーパァー》が甲高く笑って、すぐに走り出せるような態勢になる。



「......っ星、」

「わかってる」



 そう一言伝えて、私たちは背中を合わせる。

 触れ合った背中から、星のぬくもりが伝わってくる。

 任せる、って言ってくれてる。