陽詩とりいも、自分の好きな食べ物を教えてくれる。



「陽詩と、りいは何が好き......?」

「んーと、パンだったらメロンパン!」

「あたしは、あんぱんっ!」

「メロンパンもあんぱんも、おいしいよね......私もよく食べるよ!」



 なぜか、好物の食事のメニューで盛り上がる私たち。

 血戦前にこんな会話はおかしいかな、と思ったけど、陽詩とりいの好きな食べ物が知れて、うれしかった。

 笑った私のほうを見つめる陽詩とりい。

 何か失礼なことしちゃったかな......っ、なんで私を見てるんだろう......。



氷空(そら)、さ。......最近、笑うようになったよね」



 え......?

 笑っていたのは、失礼なことだったのかなっ......。

 

「し、失礼だった......?」

「え? いや、違うよ......!」

「で、でも......」

「氷空の笑顔が見れて、うれしいなって思って......」

 

 私の笑顔が見れて、うれしい?

 どう、いうことだろう......。

 私みたいな人の......笑顔......?

 

「最近笑ってくれて、うれしい」



 陽詩が微笑みながらそう言って、私は疑問が一瞬にして消えて、うれしくなった。



「私も......陽詩と、りいが笑ってくれて、うれしいっ」



 そう言って笑うと、二人は息をのんだ後、また笑ってくれた。
  


           ◆

「ふぅ......」