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Dear:《悪夢ナイトメア》
久しぶりだね。
《死術者マジシャン》とは会ったようだけど、どうだったかな。
キミの誕生日の一か月後、大聖堂の鐘が鳴り響くとき、我らの血戦を始めよう。
from:《死神リーパァー》
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血戦。
9月26日の一か月後、大聖堂の鐘が鳴り響く時。
大聖堂の鐘が鳴り響くときっていうのは、逢魔が時のこと。
昼から、夜へと移り変わる瞬間。
夜はいつも、殺し屋にとっての、味方。
私はもう一度、一方的に送られてきたメールを見て、小さく息をついた。
あと一日、かぁ......。
久しぶりにぐっすり寝ることができて、とってもすっきりしていた。
体調もいいし、十分に回復した。
ううーん............。
メールから目を離して、ぐっと伸びをする。
ドン、と構えなきゃ。
今、私にできることって......何かな。
そう考えていた時、頬に冷たいものが触れて、思わず声を出した。
「ひぇっ......」
「そーらっ、働きすぎ―!」
「陽詩......!」
「そうだよ、休まなきゃ―!」
「もう十分休んだよっ......」
そう返事をしながら、陽詩とりいが差しだしてきたものを受け取る。
わ......スポーツドリンクだっ......。
あと、塩パン......。
塩パンも、肉じゃがと同じで私の大好物。
塩パンがすきって......あんまりいないかもだけど、とってもおいしくて、大好きなんだ。
スポーツドリンクも、塩パンも、買ってきてくれたのかな......?
そんな気遣いがうれしくて、笑顔を返した。
「ありがとうっ......塩パン、好きなんだっ......」
そういうと、陽詩とりいが目を見開いた。
そのあとすぐに、笑い返してくれる。
「そうなんだー......よかったぁ......」
「塩パン好きなのっ?」
「うん、大好物だよ......!」
「ほかには何が好きっ?」
「あとね......肉じゃがも好きだよ......!」
「おいしいよねー!」
「あたしも好き!」