「..................見つけた」



 琉宇がそう言っているのを聞き流し、私は琉宇に突進。

 驚いた琉宇に、スキができた。

 そのスキをついて、私は琉宇が飛び出してきた通路へ。

 今度は時円(じん)

 私は時円をよけて、追い抜いた。

 (ひかり)、来夢、琉宇、時円がそれぞれ追ってくる。

 私はそれをよけ続けた。

 この鬼ごっこは長期戦。

 結構続いたと思うのに、まだまだ鬼ごっこは続く。

 やっぱり、すごいなあ。

 私はこんな時なのに、感心してしまう。

 口角が上がる。

 笑みが止まらない。

 久しぶり。

 そういえたら、どんなに良かったのかな。

 そのまま鬼ごっこを続けていると、来夢の声が風に流されて聞こえた。



「......星。おれ、氷空の優しさに賭けてみるわ」



 ......えっ?

 来夢が、ぐんっと距離を詰めてくる。

 本気を出したみたい。
 
 すごい速い。

 私も思い切り走った。

 あっ、やば......。

 かこまれた!

 みんなに囲まれて、逃げ道がない。

 みんなに囲まれ、頭を回転する。

 私は、そのまま飛んだ。

 誰かさん、ごめんなさい!

 ふわりと屋根に着地し、屋根の上を走り抜ける。

 距離をとった、と思ったところで飛び降りた。

 でも、やっぱりみんなはすごくて。

 もう、追いついた。

 みんなの姿が見えて、スピードを高める。