「え? こいつも関係者?」

「時雨、指でさすな。二代目総長だろ」

「関係者だよ! 心空のことでしょ? いなくなったって......」

「リイカ、心空じゃなかったんだ」



 俺はリイカをさえぎって、言った。



「うえっ? どうこと?」

「心空は偽名だ」

「本名は幸原 氷空」



 校長と理事長が、困惑しているリイカにそう言う。

 いきなりそんなこと言われたら、こいつ戸惑うだろ......。



「『ごめんね』っつーメールが送られてきて、それだけ」






 それから氷空は、学校に来なかった。

            ◆



 あれから1週間と1日がたった。

 10月4日。

 校長と理事長と、氷空がいそうなところは調べているが、何も収穫なし。

 2班と8班メンバー、リイカが、毎日ここに集まり調べているが......手がかりもない。



「何かわかったか?」

「いや、何も」

「......そうか」



 今日は、リイカがまだ来ないな......と思っていた矢先、リイカが部屋に飛び込んできた。

 リイカは荒れた息を飲み込み、ほとんど叫ぶように話しかけてきた。



「ねぇ‼」

「どうした、」

氷空姫(そらひめ)にあったの! 二回目!」

「..................氷空姫?」



 関係あるのか?

 と、内心首をかしげる。

 確かに、氷空姫の出没が最近多くなったと聞いているが......。



「あたし、夜の街に行くときは、桜色の髪の毛のウィッグつけてるんだけど、......氷空姫は氷空色だった。白に近い水色なの」



 波瑠(はる)っていう名前で夜の街に行ってる。とリイカが付け足す。



「あぁ、分かったがどういう関係が......」

「似てた。そっくりだった............氷空に」

「......」

「それに、氷空姫って、氷空の漢字はいってるし。それに............っ。
ちょうど、氷空がいなくなった日から少しずつ、増えてるんでしょう?」



 氷空姫の目撃情報......。

 リイカがそう言った。