ひだまり・シフォンケーキセットを、りいが頼んでいて......。

 そうそう、りいが街で助けた女の子にそっくり......というか、同じ人でびっくりしたなあ。

 言ってはくれてないけど、そういうのは分かるんだよっ。

 波瑠(はる)

 夜の街で、りいが名乗った名前。

 コードネームなのかな?

 すごくかっこいいし、かわいいし、おしゃれだった。

 センスあるよね、りいって。

         ◆



「さーて、今日も行きますかー!」



 氷空(そら)色の髪がふわり、と風になびく。

 最近は、よく氷空姫(そらひめ)でいってるんだ。

 理由は...........うん、まあ、うん...........。

 氷空色の瞳、氷空色の髪。

 私はそんな色なんだけど、お兄ちゃんは違ったんだよね。

 空色の瞳と空色の髪。

 私のほうが白っぽい水色で、お兄ちゃんはきれいな空色。

 小さなころは、私がこんな風に育ってるなんて、思いもしなかったな。



「んー」



 ぐっ、とのびをしながら、いざ夜の街へ!と繰り出す。

 誰かの気配がして、首をかしげた。

 う~ん?

 なんか...........知ってる人の気配がするような...........。

 いや、ない。

 ここで鉢合わせたら意味ない。

 気のせいだ、きっと。

 私、すごく疲れてるんだ。

 気のせいだ。

 ...........

 .....気のせいであってください。お願いします。