この星に生まれた、何よりも誰よりも。

 目を閉じれば浮かぶのは、みんなの笑顔。

 私に向けてくれる、笑顔。

 いなくなってほしくない人たちの、笑顔。

 私でも、みんなを守りたい。

 こんな私でも、みんなを助けてあげたい............。

 私は、きっと前を向いた。

 ......屈しない。

 まずは、逃げなきゃ。

        ◇ ◆ ◇       

 ............

 ひゅう、と風が吹いた。

 

「そらー?」

「......」

「なにやってるの?」

「......」

「おーい、むし?」

「......」

「かんぜんするーされてるぅ」

「......」



 あれは確か、私たちがまだ市役所にいたときのこと——......。

 私は、幼稚園で、ある女の子を叩いちゃったんだよね。

 その女の子、結構悪ガキで。

 みんなの悪口ばっかり言ってたし、みんなのことをこばかにしてた。

 いじわるばっかりしてたし。

 割り込みとか。

 本人のいる場で思いっきり悪口いったり。

 水かけたり。

 自分のせいなのに、けがとかしちゃって、逆ギレのマジギレ。

 その子が、ある日。

 ある女の子にじょうろに入ってた水をぶっかけた。

 砂遊びしてたみたいで、結構汚れちゃって砂まみれの水。