電話出ろよ......!

 ていうか言えよ‼

 わけわかんねえよ⁉

 

「おい、おい、............っ」



 夜風が耳元でヒューッとなる。

 ひんやりした風が、空を覆った。

 ......っ、...っ......!



「氷空ぁ......!」



 名前を呼ぶ。

 あいつの、本名を叫ぶ。

 なのに、何も起こらない。

 星がチカリチカリと光る。

 最後の輝きを、一生懸命放つように。

 伝えられていない思いを、叫ぶように。

 ......自身を光らせた。

 最後に散りゆく(ほし)の残骸。

 最後にきらめく星の残骸が、ソラに浮かぶ。

 ————ソラの、残骸。