よし、時雨と氷雨に送ろう。

 ポチ、ポチ、ポチ......とタップして文字を打ち込む。

 『ごめんね』

 

「......っと」



 送信する前に、もう一度確認。

 あ、もう一つ送ろう。

 『許してね』

 そううとうとして、「ゆるし」までうって、やっぱり......と文字を消す。

 許してなんて言わないよ。

 嫌われるの覚悟だから。

 恨まれるのも、憎まれるのも、覚悟で行くからね。

 あ、想像したらなんか泣けてきた。

 ちょっと考えるのやめようじゃないか。

 結局、『ごめんね』だけを送信。

 リュックを背負って、扉を開け、外に出る。


 空は、藍色・群青色の絵の具を広げていったように暗くなっていた。

 空に、満天の星が光り輝く。