この星に生まれた、何よりも誰よりも。

 そんな思いをうたった、歌。

 心からの叫び。

 それは、祈りで、絶対にあらがえなくなってしまうもの。

 

「——♪知らなかった、こんなに世界が美しいってこと。信じてくれて、生きててくれて、ありがとう」



 ただ、私の思いを、君に。

 これは私たちの叫びであり、祈りであり、詩そのもの。

 私からお兄ちゃんに送る鎮魂歌。

 

「♪だけど、ごめんね。もうこの言葉は届かない。だから、私は君に歌うよ。——『愛してる』」



 最後の最後で、少し息を止める。

 黄昏時(たそがれどき)

 もう、あの世には行けないけど、唯一、この世界でも向こうの人たちに届く瞬間(トキ)

 ——お兄ちゃん、またね——......。

 私は息をして、静かに瞳を閉じた。

 金色に光ってる、景色。

 一日のうち最後の力を振り絞り、光ってる夕日が、私たちの間にきらめきを落とした。



「........................はあ。何今の歌? あんた恋人でもいんの?」

「え? いないよ」

「じゃあなんで、『愛してる』なんて歌たったんだよ?」

「愛ってさー、恋人にだけじゃないと思うんだよね」

「は?」



 歌い終えた私に、そんなことを言ってきた桐谷くん。

 なんだなんだ。

 めちゃくちゃ最初とは一見、しゃべってるじゃないか。

 星もそうだけど、みんなそうなの?

 意味が分からないという顔をしている桐谷くん。

 

「愛っていうのは、自分じゃない誰かを想いやる気持ちじゃないかなー......、って思うんだ」



 私は、黄昏時の光輝く中、逆光で表情が見えない桐谷くんに、そう告げた。