「......氷空姫(そらひめ)。いつだって、誰かを救うから」



 氷空姫の信条を、ポツリと口にする。

 いつだって、誰かを救う存在。誰かを助けてあげられる存在。

 ——それが、氷空姫。

 私があの時、できなかったことを。

 お兄ちゃんにしてあげられなかったことを。

 私は、これからも、だれかさえ知らない人に、命に、し続ける。

 そう、決めた。

 たとえ、それがどんなに難しいことだって

 必ず、やってみせる。

 結局、その日は何も悪事を働いている奴がいなくて何もしないまま、朝が来た。



「ふっわぁ............」



 眠くて、思いっきりあくびをしてしまう。

 きらきらと降ってくる光がまぶしい。

 徹夜の体には、いい眠気覚ましになるけど......。

 でも、徹夜に慣れてない人はきっとこのまま寝ちゃうんだろうな。

 ............いつからだっけ。

 こんなに、真っ黒な人間になったのは。

 少しでも、私はそう考えてしまって。

 そう考える自分が嫌で、思いっきり腕を振りかぶり、

——バチンッ!

 

「いってぇ—‼」



 そんな声が聞こえて、目をむいた。

 ⁉

 なになになに⁉

 ていうか、自分をたたいたはずなのに............痛みが全くない。

 も、もしかして......?