決まってる?

 神楽くんが私に惚れること?

 私よりもかわいい人いっぱいいると思うし............ってそうじゃなくって、



「神楽くんは、私には惚れないと思うよ......?」



 そんなこと、あるわけない。

 だってだって、女嫌いって言ってたし?

 私一応女だし? ............かわいげはないのは分かってるけど。

 それに、神楽くんが好きになる女の人は、きっとかわいい人なんじゃないかなぁ?

 ............たぶんね!



「いやいや、何言っちゃってんの~! 惚れちゃうよ、心空には。たとえ神楽くんでも」



 そうかなあ?

 でもやっぱり、そんな気がしない。



「ないと、思うよ? ていうか私に惚れる人はいないんじゃないかな」



 そういうと、「これはあの人たちも手こずっちゃうんじゃないのかなぁ......無意識で鈍感な心空には......」と陽詩がつぶやいた。

 陽詩を見ると、コホンっと咳をして、目に少しかかった前髪からちらりとパステルライラックの瞳が私を見つめていた。

 

「やっぱり、何でもなーい!」



 そういったあと、陽詩は私を見て、にま、と意地悪そうに笑った。