「ドンカン? 私が⁉」

「え、無意識な感じでもある?」



 いやいやいや、ドンカン? ムイシキ?

 私には縁のない言葉だと思ってたのに......⁉

 

「つくづく、私には縁のない言葉なんだけど......⁉」

「大ありでしょ。気づいてないみたいだし、これはあいつらも大変だね~」



 にまにまと笑っている陽詩。

 ......いや、本気で何⁉

 あいつら? って、みんなのこと?

 

「え、なに............?」



 陽詩は相変わらずふわりと笑い、私にこう告げた。




「......ふふっ。何でもない、いこっか!」

「う、うん?」



 私たちはまた、一度止めていた足を動かして校舎のほうへ向かっていった。



「あああああ——‼ ここらぁー!」

「え、うそいた⁉」

「いるうー!」

「帰ってきた——‼」



 陽詩と並んで教室に戻ると、また大空と翼皐に左右をがっちり固められた。

 そのまま、腕につかまってくる。

 ぎゅううっと強い力でつかまれて、心配かけちゃったのかな? と思った。