だんだん黄色い歓声が大きくなっていって、あっという間にこのクラスのドアのところにはたくさんの女の子の人だかりができていた。

 うっそぉ......。

 ほかのクラスの人たちがたくさん来て、もう教室に入ってきてしまいそうだった。

 こんな人気すごいんだ......。

 本の中に出てくる、学園の王子様、みたいな?

 群青色の瞳の男の子は教室に目を走らせて、その視線は私のところで止まった。



「............は?」



 群青色の瞳の男の子が、地を這うような低い声を出した。

 それだけで、黄色い声を上げていた女の子も、あこがれているように見ていた男の子も、全員が口を閉じた。

 ピリ、と教室には緊張感が訪れる。

 

「......あ?」



 群青色の瞳の男の子が、つかつかと私のほうに歩いてくる。

 私のほうに、じゃない。私に向かって歩いてくる。

 私のすぐ横、私から見て右側に来た男の子が、思いっきり顔をゆがめた。



「なんで、女がここにいるわけ?」