この星に生まれた、何よりも誰よりも。

 そんな(うた)を、私は歌い終えて。

 ............あぁ、きっと気持ちのこもった歌を、詩と呼ぶんだね。

 涙が出てきそうだ。

 なんだか熱いものがこみあげてくる。

 みんなが黙ってしまった沈黙の中で、私は音楽室を後にした——。


 『校長室も理事長室もいつでも入っていいからな、氷空(そら)だけだけど』

 時雨と氷雨は、そういってくれたよね。

 その言葉を頼りに、私は校長室まで足を運んだ。

 理事長室でもよかったんだけど、そこには時雨がいるはず。

 氷雨はほかのクラスか、職員室にいると思う。

 ............こんなに弱っている自分を、誰かに見られたくなかった。

 思った通り、校長室には誰もいなかった。

 校長室に入った後、私はパタン、と豪華な扉を閉める。

 閉めたばっかりの扉に背中をぴったりと合わせる。

 そうすると、膝から力が抜けて、私は背中を合わせたまま崩れ落ちた。

 やだな。

 泣きたくなんかないのに、泣きそうになってる自分がいる。

 

「......ぅ......ぁ」



 熱いものがこみあげてきて、私は嗚咽を漏らした。

 ぽたり、ぽたり。

 小さな水の粒が流れ落ちてきて、心に波紋を作った。

 ......やっぱり、私は何も変わってないのかな。

 『おまえ、なんも変わってねぇなあ』

 『あの時から、ずっと......あの時のまんま』