次は音楽。
そうして音楽室に移動して、今。
......なぜかコンサートになっている。
出席番号順に一人ずつ、歌ったり、ピアノ弾いたり、......。
............『き』うち ここら。
『き』は前から数えて早いほう。
どうしよう、ほんとに。
こんな音楽ある?
あー............。
歌、人前で歌うのは苦手なんだよぉっ!
どうにもならないことを考えながら、私はみんなの番号順をたどった。
——『あ』いざわ らいむ、『う』らしま るう、『か』ぐら ひかり、『き』うち ここら、『こ』とわ ひなた、『な』んびと まな、『ほ』こら じん、『ひ』ゆめ つばさ・つばさ。
あ、う、か、こ、な、ほ、ひ。
みんなの苗字はこの7文字から始まるんだね。
ふんふん、とうなずいていると、みんなのコンサートが始まった。
来夢の選んだ曲は、ロックみたいなテンポが激しい曲。
琉宇の選んだ曲は、クラシックで、落ち着いた低音の曲。
神楽くんが少しだるそうに、ピアノでひく曲を選んでいた。
............どんな曲だったかは、忘れちゃったけど。
みんなが発表した曲を聴きながら、私はなんだかんだ音楽を楽しんだ。
............いや、楽しんでいた。
私は、私も発表するということを忘れていた。
「奇打さん、奇打さん?」
名前——偽名だけど——を、呼ばれ、はっと我に返る。
「奇打さんの番ですよ?」

