「............それで? どういうことなの、あれは!」
「あはははは............」
どうしよう。
しぶとい。
あきらめてくれない。
ごまかせきれない。
「ひ、陽詩............大空、翼皐......舞那............琉宇......時円......」
もうみんなに聞かれて、問い詰められて、ごまかせる自信がない。
来夢のほうを横目で見る。
すると、バチっと目があった。
ちょ、ぴんち......!
Help me‼
そんな気持ちを込めて来夢を見つめると、来夢が「はあ......」とため息をついた。
「あーあーあー、心空は護身術習ってたんだってさ」
唐突に、来夢がそんなことを言い出した。
こっちに目配せをしてきた来夢を見て、ハタと気づく。
助太刀してくれてる......!
「そっ、そうなの‼」
私も来夢の話にのっかり、こくこくこくこく、うなずく。
「へ......?」
みんながあっけにとられた顔をした。
私がそっち側だったら、私もそうなると思う......!
「なんで、来夢が知って......」
「あっ朝私ちょっと早めに来ちゃってその時に話したの、皆には言えてなくってごめんね‼」
息継ぎもせず早くそう告げる。
私の言葉に「なるほど~」と、うなずいて「あんなこと危ないからしないでね‼」とみんなは忠告をした後、授業のために散っていった。