「..................おはよう」



 まだだれも来ていない教室。

 私は、挨拶をした。

 そのまま早歩きで席に着き、がばっと机に突っ伏す。

 

「はああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ..............................」



 そして盛大に、ため息をついた。

 やってしまった。

 なんてことを。

 来夢(らいむ)にばれた。

 あああああ。

 油断した。

 いま私の肩にかかっている髪の毛は、黒色。

 私の瞳も黒色だ。

 今は、学校だからね‼

 なんて全然関係ないことを考える。

 ああ、もう............。

 すると、かすかに気配がして、私はう~んとうなった。

 から、と音を立て扉が開く。

 私は教室に入ってきた人に向かって、また盛大なため息をついた。



「......はああぁぁぁぁぁ」

「はよ。それがあいさつか~?」

「......来夢」

 

 けらけらと愉快そうに笑って、来夢が席に着いた。

 琉宇(るう)の席に座って、私のほうを向いて話しかけてくる。