なんだかんだ言いながら、ほの空ちゃんはSHRが始まるまでわたしのそばにいてくれた。
休み時間もお昼も、近くにいてくれて。
ほの空ちゃんと話していたから、わたしも周りをそこまで気にせずにすんだのかもしれない。守られていたのかもしれない。
女の子の中には、わたしが庶務になったことを本当によく思ってない人もいて。
表があれば裏もあるということを、わたしは忘れていたんだ。
「甲斐田さん」
それは放課後、寮に帰っていたときだった。
ほの空ちゃんと別れたわたしの両サイドを見知らぬ女の子たちが固めた。
「お話しーよぉっ?」
女の子の声が1オクターブ高くなるときは決まっている。
男子と話すとき、そして同性に制裁を加えるときだ。
ガチギレしている女の子にビビって神さまは逃げ出してしまった。
置いていかれたわたしに待っているのは絶対、明るい未来なんかじゃない。
終わった。短い人生だった。
次回、甲斐田桃 死す────



