まあ、食ってしまいたいくらいには。



どうやら愔俐先輩と悪くてデキてる、よくてお気に入りだと噂されてるらしい。


それを知った女の子たちは阿鼻叫喚。絶叫悲鳴恨み節の嵐。


だけど、みんな愔俐先輩に嫌われたくないから。

だからわたしに表立ってなにもしないし、言わない。


ほの空ちゃんが言うにはそういうことらしい。




「だから桃、あんたは命拾いしたってわけ」

「よかった……よかった、のかな?」

「まあ心の中ではみんな、桃のこと捻り潰したいとは思ってるだろうけど」

「やっぱりよくない!よくないよほの空ちゃん!」



うわーん!と机に伏せたわたしの頭を撫でてくれる。

心なしか女の子たちの冷たい視線を感じてもっと悲しくなった。




「ぐすっ……なんでほの空ちゃんは一緒にいてくれるの?」

「そんなのあたしの勝手でしょ。人の心配する前に自分のこと心配しな」

「ほの空ちゃん抱いて……」

「ごめん煩いのはタイプじゃない」