わかってはいたことだけど……。
「ねえ、あの女?新しい庶務になったのって」
「らしいよ。今回はなんか地味だね」
「甲斐田桃だって。名前負けしてない?」
「なんか愔俐先輩とデキてるらしいよ」
ヒソヒソ、どこにいても飛んでくる女の子たちの声に。
わたしのHPはもうゼロだった。
ここで反論したら火に油だってわかってる。
わかってるけど、最後のだけは訂正させて……!
愔俐先輩とはデキてない!!
だけど意外や意外、もっと揉みくちゃのボッコボコにされると思ったのに。
みんなわたしを遠巻きに眺めては、コソコソあることないこと言うだけで、直接なにかを言われることはなかった。
なんで?むしろそっちのほうが怖いよ!
なにか裏があるに違いない。
学校総出で甲斐田桃を無視せよ、とか?
「えーん、ありうる……」



