「って、なんでこんなことフォークに話してるんでしょうね」
それに愔俐先輩だってわたしの身の上話なんか興味ないだろう。
いつだって自分本位に生きているこの人に、他人の痛みはわからない。
「もういいですか?愔俐先輩といると心臓が痛いんですよ。そろそろ出てってください」
愔俐先輩を部屋から追い出して、すぐに鍵をかけた。
一人きりになった部屋。
明日からのことを思って気が重くなった。
ぬいぐるみを────アンパンマンを抱きしめる。
「……負けるもんか」
どうか、どうか神さま。
わたしに明るい未来をください。
その願いは、翌日、学校に行った瞬間打ち砕かれることになる。
こうしてわたしの寮生活1日目が終了した。



