愔俐先輩が立ち去ったあと、 しばらく呆然とベッドに腰かけていたわたしはふと、それの存在を思い出した。 ベッドの上にはさっきまでなかったビニール袋。 危険物でも置いていったか?とおそるおそる中を確認してみると、そこにはパンやらおにぎりやらが入っていた。 わたしに対しての皮肉に思えてならなかった。 悔しくて、とても悔しくて。 袋ごとドアに投げつけようとして……やめた。 食べものに罪はない。