ずっと気になってたけど、わたし制服で寝てたんだよね。
シワになっちゃいけないから脱いでおこう。
今さら感は否めないけど。
「うんしょ……」
立ちあがって、もぞもぞと制服の上を脱ぐ。
キャミソール姿のまま、それをハンガーにかけようとしたときだった。
ばきりと入口のほうから音がしたのは。
ひらかれるドア。
そこに立っていたのは、今いちばん、ほんっっっとうにいちばん見たくない顔だった。
「……もう、意味わかんない」
いったいどんな握力してるの。
なんで壊して入ってくるかな。
というか鍵の意味ないじゃん。
「気分はどうだ」
「おかげさまで絶好調ですよ。新しい住居まで用意していただいて、今夜は寝られそうにないです」
「寝られるなら寝たほうがいい。体は資本だぞ」
「っ、どの口が……」
制服を胸の前で抱いて、入ってきた相手を睨みつける。



