まあ、食ってしまいたいくらいには。




真っ暗にするのは怖かったから、電気をつけたままベッドにもぐりこんでいた。


うす明るい部屋は不気味なくらいに静まりかえっている。

寮全体が静かなんだ。
だって、わたしを含めて5人しかいないんだもん。



わかってたことだけど、全然眠くならない。

このまま朝まで起きておこうかな。



その存在をふと思い出して、ポケットから取り出したスマホ。


時刻は午前2時を回っていた。




「……お腹すいた」


夜ごはんも食べてないんだ。

そりゃお腹も鳴いちゃうよね。


こんなときでも空腹を訴える自分の体に苦笑する。



「むしろこっちが食べられるかもしれないんだよ、わかってる?」


呼応するようにお腹の虫が、いっそう鳴いた。


お気楽なもんだ。


その呑気さに少しだけ落ち着きを取り戻して、むくりと起きあがる。