「じゃあここ、フォークの巣窟じゃん……」
「きみは、」
甲斐田、とわたしはつぶやいた。
「……甲斐田、は。たぶん今日からここを使うことになる」
「なんで」
「生徒会は、みんなここで生活しているんだ」
芽野くんはさっきからすごく言い辛そうにしていた。言葉を選んでくれていることがわかる。
なんだかわたしが責めているような気持ちになった。
きっとあの人が決めたんだろうな。
してやられたというか、一杯食わされたというか……。
「これからどーしたらいいんだろ、わたし」
困らせたくて言ったわけじゃない。
本当にどうしたらいいかわからなかった。
なにも言えなくて黙りこんでいる芽野くんを見つめる。
「ほんとなの？」
「え？」
「ほんとに、フォークなの？」
「……本当だ」
そう言うとき、芽野くんはなぜか苦虫をかみつぶしたような顔をした。まるで自分がフォークであることを認めたくないように。
「玖桜さんも、奈良町さんも、三栗も、……俺も」
そっか、と口の中でつぶやいた。
「じゃあ芽野くんもわたしを食べたいと思ってるんだね」
「それは、」
