夢を見た。
小さな女の子の夢。
初めてパトカーに乗った女の子は、じいっと窓の外を見つめている。
体中、痛々しい痕がのこっていた。
一緒に乗っていた警察官がなにか気を紛らわすようなことを言う。
だけど女の子は、反応しなかった。
とにかく早くおうちに帰りたかった。
おばあちゃんの顔が見たかった。
家についたら、玄関先でおばあちゃんが待っていた。
警察官がなにかを言ったら、
おばあちゃんは────泣いちゃった。
あ、わたしのせいだ。
とっさに、大丈夫だよ、って言ってた。
わたし、特別なんだって。
励ますつもりだったのに、おばあちゃんはもっと泣いた。
泣いて、ずっと女の子に謝ってた。
ごめんね、ごめんね。
普通の人生を歩ませてあげられなくて、ごめんね。



