「……さいあく」
たしかに頭を冷やすとは言ったよ。
言ったけど……。
「うええ、ベタベタするよお……」
まさか、またいちごミルクをかけられるなんて。
そんなの予想できるわけがない。
中庭を歩いているときに、すれ違いざまにバシャって。
呆然としているわたしを振り返りもせずそのまま立ち去っていく。
通り魔もびっくりの無駄のない一連の行動に、もはや怒りを通り越して感心してしまった。
というかこの前の子と違った!
なんなの、流行ってるの?
そういうゲームなのだろうか。
とにかく一刻も早く水道で洗い流したい。
「くそお……負けないもん、負けないもん」
涙をこらえながら中庭を突っ切ろうとしたときだった。
「わっ……」
いつかと同じく。
曲がり角で、誰かとぶつかりかけたのは。



