「ねえ」



生徒会に向かっていた途中、声をかけられた。

振り向いた先にいたのは、今までわたしに散々嫌がらせをしてきた子たちだった。



「なに?」

「……あのさ、なんかごめんね」



なんとなく、そうくるだろうなとは思っていた。

だってそんなしおらしい顔、見たことないもん。

わたしの前ではフキゲンな顔しかしてなかった。


返す言葉を探していると、どうやら怒っていると勘違いされたらしい。



「うちらさ、てっきり甲斐田さんが媚び売って庶務にしてもらったんだと思ってたのね」



先頭の子が弁解するようにまくし立てた言葉に、後ろにいた子たちも一斉に賛同する。



「三栗くんと仲良かったし。その、ツテみたいな?」

「でも生徒会、なんかヤバい噂立ってるじゃん」