まあ、食ってしまいたいくらいには。




「ん……」


カーテンのすき間から舞い込む朝の光。

まだ完全に日が昇りきっていない頃、わたしは目を覚ました。


ぱち、ぱち、と数回。

確かめるようにまばたきをして。



「……あのう、さすがにセクハラじゃ」



一体どうして胸の中に三栗くんがいるのか。

すると向こうも起きていたのか、あのさあ、と呆れた声が返ってきた。



「私の頭をぬいぐるみよろしく抱きかかえたのは、どっち?」

「あ、わたしか……」

「で、離れようと思ってもびくともしなかったのは、誰?」

「あ、それもわたしか……」



セクハラはわたしのほうでした。
すみません。


慌てて腕を放したけど、三栗くんは顔をあげなかった。

クッションになんてできるほど柔らかくない、その胸から。



……わたしがかけるべき言葉はなんだろう。

どういった反応が、正解なんだろう。


昨日はよくもって、怒る?

食べないでくれてありがとう、って感謝する?



ううん、それよりも……