……でもね、三栗くん。 人に表と裏があるように、わたしにだって裏くらいあるんですよ。 本音の裏にある、もうひとつの本音ってやつ。 わたしはいままでそれを誰かに打ち明けることはおろか、自分でも認めないようにしていた。 そんな、頑なになる必要なんて。 どこにもなかったのかもしれない。 「……生き苦しいね、三栗くん」 そっと目を閉じる。 頬に伝う涙はどちらのものか、わからなかった。 最後の力をふりしぼり、その頭を抱き寄せる。 ドクン、ドクンと。 いのちの音がひとつになる。