まあ、食ってしまいたいくらいには。




異変に気づいたのは泥のように眠っていたとき。


かすかに感じた、寝苦しさ。

それは次第に息苦しさに変わって、わたしはとうとう目を覚ました。


最初はなにも見えなかった真っ暗闇も。

視界が徐々に慣れてきたら、そこにいた人物の輪郭も見えてきた。




「……どうしたの、三栗くん。眠れないの……?」


ベッドの脇にいた三栗くんが静かに口を開く。



「いまの状況、わかってる?」

「わかってるよ。うっすら、首締められてる……」


いざ言葉にするとだいぶ物騒だった。

さっきから首にかけられている手。


だけど、わたしが気になるのは。

さほど力が入っていないそれよりも、その先にあるであろう表情だった。



「ごめん三栗くん、電気つけていーい?」

「よくそんなに落ち着いてられるね。諦めてるの?」


そんなことはない。

落ち着いてるわけでも、諦めてるわけでもない。


ただ……





「ねえ」

「……っね、てない。寝てないよ」

「私は最初から、桃が生徒会に関わることは、反対だった」

「うん……、うん。そうだね」


襲い来る眠気を必死に堪えながら頭を働かせる。