まあ、食ってしまいたいくらいには。



「だ、誰かに話したら許しませんから」

「人にものを頼むときは?」

「お願いします誰にも言わないでください」


ああ…また弱みをにぎられてしまった。

それにしても、


「悔しい。ほんとに助かったのが悔しい……」

「…………」

「あのままだったら、たぶん、朝まで寝られなかった……ので、その、なんていうかぁ………あ、あり、ありが、ありがとうございます、…ッテコトデス」


わたし、この人にお礼言うの苦手。

最後の最後まで抵抗したその言葉を吐き出せば、なんだか恥ずかしくなってシーツを顔半分まで引きあげた。



「ていうかよく我慢できましたね」


自分で言うのもなんだけど。

あれだけ近くにいて、わたしは血まで流してたのに。

愔俐先輩が出してきたのは文字通り指1本だけ。



「お腹がいっぱいでした?それとも余程わたしに魅力を感じませんでした? あ、まって答えなくていいです。両方だってわかってますから」

「お前に魅力を感じなかった」

「いやだから言わなくてい……」