それから落ち着くのに数分もかからなかった。
カッコ悪いとこみせちゃったな……。
そのときふと、おでこに痛みを感じてどきりとする。
手をやるとぬるりとした感触と──案の定、血が出ていた。
覚えてないけど、どこかにぶつけちゃったのかも。
今この状況で血をみせるのはさすがにまずいことだってわたしにもわかる。
だからあわてて拭おうとしたその手ごと、
……奈良町先輩に、引っ掴まれた。
「あっ……」
ぐるりと世界が反転したかと思えば。
わたしはつめたい床に押し倒されていた。
逆光でわからない表情を必死に読み取ろうとしたとき。
「いっ、いた……っ」
熱く、まるで焼けるような痛みが首筋に走った。
それはどんどん深く、重くなっていく。
ぎゅっと目をつぶり耐えていたけれど、奈良町先輩がゆらりと顔をあげる気配に、はっとする。



