チケットを買ってシアターに入る。
さっき急いだのはなんだったのか、わたしの勘違いだったのか、上映まではまだ時間に余裕があった。こういうところがポンコツといわれる要因なんだろう。
奈良町先輩がそのことを責めてくることはなかったけど、代わりにドン引きするような目で見られてはいた。
「お前、寮で昼メシ食ってたよな」
「おそばを食ってましたね」
「抱えてんのなに、それ」
「ポップコーンとチュロスですが?」
わかってる。
言わんとしてることはわかってる。
だけどそれ以上は言わないでほしい。
わたしはなによりも、食べることが幸福なのだ。



