ー「澪ってさぁ、真面目すぎてつまんないんだよね」

ー「男子に色目使ってたりしてぇ」

ー「偽善者じゃん」


中学生の頃、真面目に生きていた私は女子からこっ酷く虐められた。

根も葉もない噂で中傷され、嫌われて。

とても、哀しくて辛かった。


悪いことを駄目だと言うことの何がいけないのか。

私は、私の正義を、生き方を、全て否定されてしまった気がした。

自分を嘲笑い罵る人達の声が、いつまでも耳に残って消えなかった。


ー…真面目に生きることの何がいけないんだ。

どうして、直接見もしないで、私を嫌うの。

何もかも、分からなくて、怖かった。


でも、私は私を曲げることだけはしたくなかった。

だって、誇り-プライドを捨てた人間に何が残ると云うのー…?


そこで、私はお気に入りのマンガにでてくる自分と似た性格の主人公がしている格好を真似することにした。

三つ編みに眼鏡に、キリッとして凛とした佇まい。


たとえ、どんなに弱くても、苦しくても、
負けたくなくて。

自分自身を捨てたくなかった。

ただ、強くありたいと願った。